男鹿半島・飛島・四島・加茂のダイビング見どころ

雄大な景色の中で力強い自然を感じてみたい―。北の海はそんな生命の源が息づいています。厳しいイメージの強い北の海でも、夏から秋にかけては水温も20度以上に上がり、ウェットスーツでも十分に潜ることができます。サンゴ礁やトロピカルフィッシュはありませんが、海中には海藻が生い茂り、オレンジ色のホヤが見られたりと、思った以上にカラフルな景観が望める東北地方のダイビング。

漁業が盛んで、釣りで有名なスポットが多いことから、魚影の濃さはおりがみつきです。マダイやイシダイ、メバルにソイ、アイナメ、ヒラメと高級食用魚のオンパレード。もちろんアフターダイビングに新鮮な海の幸を楽しむことができます。

東北は沿岸漁業が盛んなだけに、ファンダイビングができるスポット数は多くないものの、青森ではアオザメ、イシナギ、イルカとの遭遇や、飛島では1～2mのドチザメが50～100匹も集るスポットがあるなど、まだまだ未知の魅力を秘めています。

潜り方

ビーチ・ボートともに盛んだが、ビーチだけというところもあれば、ボートのみというところもある。また、無人島からエントリーという変わったスポットもある。

ツアー

東北沿岸は漁業が盛んなため、一般ダイバーに解放されているスポットは多くはない。漁業関係者とのトラブルを避けるためにも、各県のダイビングショップのツアーや、現地のサービスを利用して潜ろう。

男鹿半島

秋田県男鹿市

雄大な岩が並び、魚群が優雅に舞う男鹿半島！

　秋田県西部、日本海に突き出た男鹿半島は、三方を海に囲まれ、その東西南北ごとに趣の異なる見どころや観光スポットがある。古くからなまはげで有名だが、八望台といった景勝地もあり、男鹿国定公園に指定されるとともに、日本百景にも選定されている。 　男鹿半島の海は、奇岩や断崖といったダイナミックな地形から、穏やかな砂浜まで変化に富んだポイントがある日本海沿岸では有数のダイビングスポット。暖流の対馬海流の影響を受け、水温が高く、通年潜ることができる。おおむね透明度もよい。 　アフターダイブは、秋田県魚ハタハタを通年展示している唯一の水族館「男鹿水族館GAO」に足を運んだり、ハタハタをはじめとする魚介類や、近年B級グルメとして全国的に注目されている男鹿しょっつる焼きそばに舌鼓を打ったり、男鹿温泉郷をはじめ、海岸沿いに並んでいる温泉地で癒されたりとのんびりと楽しめる。

西黒沢

レベル	初級者～上級者
エントリー	ビーチ
水深	0m～10m

砂場に岩が点在。冬はホテイウオの産卵が見られる。初心者から潜れるビーチポイント。

加茂青砂

レベル	初級者～上級者
エントリー	ビーチ
水深	0m～14m

岸よりの砂の中に、クサフグが目だけを出している。小魚を狙ったアオリイカの狩りをあちこちで見ることができる。

飛島

山形県酒田市飛島

日本海に浮かぶ野鳥の楽園で、ドチザメ大集合をウォッチング

飛島は、山形県・酒田市の沖合い約40kmの日本海に浮かぶ小さな島。周囲は約10km、島の人口は約270人の素朴な島だ。対馬暖流の影響で年間平均気温12℃、冬の積雪もほとんどなく東北でも比較的暖かい場所だ。 波静かな入り江は海水浴場となっており、夏場はにぎわいを見せる。また、日本列島から大陸へ、あるいは大陸から列島へと渡る鳥たちの飛来地となっており、春や秋は渡り鳥でにぎわう。飛島で見られる渡り鳥は約270種、バードウォッチングが楽しめる野鳥の楽園だ。本島の南西にある御積島（オシャクジマ）周辺がダイビングポイントとなるが、この島は国の天然記念物・ウミネコの繁殖地として知られている。対馬海流とオホーツク海から来る寒流が交じり合う海域のため海中の生物は豊富。 中でも見ものと言えるのが、春から夏にかけて1〜2mほどのドチザメが数十匹の群れとなり産卵のため浅場に集るトド穴。洞窟に折り重なるようにドチザメが集っている様子はなかなか圧巻だ。 地形は、起伏の激しい岩礁地形でドロプオフや穴、アーチも数多く存在している。春から夏にかけ日本海特有の海藻が一面に生繁、その景色を見るのも楽しみ方の１つだ。

トド穴

レベル	初級者～中級者
エントリー	ボート
水深	13～18m

トド穴周辺にはいくつものカバーン（ 水中洞窟） があり、春5～6月には無数のドチザメが出産のため浅場に集まる。1つの穴は10畳から20畳ほどで20～30匹ほどのドチザメに囲まれ観察することができる。

御積島北

レベル	中級者
エントリー	ボート
水深	20〜30m

水深15ｍ から30ｍ まで落ち込むドロップオフダイブが気持ちいい。潮回りが良ければ大型のブリやイナダ等回遊魚の群れを見ることが出来る。

御積島東

レベル	中級者
エントリー	ボート
水深	18〜30m

大きな岩礁がゴロゴロしているポイントで水深10ｍ 程から急速に30ｍ まで落ち込む。潮流の影響が少ない穏やかな岩礁の間には数多くの生物が生息しいる。

水中根

レベル	初級者～中級者
エントリー	ボート
水深	5～30m

一部しか水面上に出ていない周囲約400ｍ 高低差１ ５ ｍ の大型の岩礁。潮回りが良ければイナダ、クロマグロなど回遊魚の群を見ることが出来る。ハゼ類やウミウシ類も多く生息している。

四島

山形県鶴岡市堅苔沢

愛嬌たっぷりのWタイコンビがお出迎え！ワイドにマクロに生物観察を楽しもう

四島は、山形県鶴岡市沖合い約800mの日本海に浮かぶ無人島留棹庵（りゅうとうあん）島周辺のダイビングスポット。東北+日本海＝寒いというイメージを持つ人も多いが、日本海を北上する対馬暖流の恩恵を受け、夏には水温が28℃まで上昇し、多くのダイバーが訪れる。陸から離れた無人の孤島周辺は、年間を通じて釣り客で賑わうだけあって魚影が濃く、ワイドに楽しむことはもちろん、冬のアイドル・ダンゴウオをはじめとするマクロ生物まで、幅広い生物観察を楽しむことができる。 自然に作られた大小４つの岩礁島では、ビーチでもなくボートでもない日本でも珍しいジェッティダイブが可能。 また、四島を潜るダイブセンター「アーバンスポーツ」のBOSSがじっくり時間をかけ仲良しになったアイドル、コブダイの「金次郎」とマダイの「銀次郎」は愛嬌たっぷりで、多くのダイバーに愛されている。

大島

レベル	初級者〜中級者
エントリー	ジェッティ
水深	11〜18m

マアジ、アオリイカが多く群れ、水深１ ５ ｍ に長さ１ ０ ｍ ほどの水中トンネルがありミニカバーンダイブ気分が味わえる。

灯台

レベル	初級者～中級者
エントリー	ジェッティ
水深	11～20m

エントリーエキジットや水面休息をする岩場の名称。一番メインとなるポイントで愛想の良い大型のコブダイやマダイと遊ぶことが出来る。生物層はとても豊富で何度潜っても飽きることがない。

ウマカジリ

レベル	初級者～中級者
エントリー	ジェッティ
水深	11～16m

潮あたりのもっとも良いポイントでウミイチゴやフトヤギ類が多く生息する。レアな生物を探索するならここ。ただし、エキジット場所から離れていて水深もあるのでエアー管理が必要。

加茂

山形県鶴岡市加茂

四季の変化で生物観察を楽しむ

山形県鶴岡市の北西部に位置する加茂は、地域の水産業の拠点として重要な役割を担う加茂港や、人工海浜の加茂蓮ボービーチ、世界一多くのクラゲを展示する水族館として有名な加茂水族館を有する人気の観光スポットだ。ダイビングにおいては、東北のビーチポイントとして名高く、駐車場や水洗トイレなど設備の整ったダイビングスポットだ。 水面からなだらかに水深10ｍほどまで落ち、底質は1～3ｍまでは藻場、4～5ｍが玉砂利、5ｍからは砂になっていて、岩礁が東西にいくつもあり水中は複雑。大型魚類や群れは少ないが、小さな魚が多く、四季を通じての生物の産卵・ふ化・成長の過程や海底景観をじっくり観察することができる。

東の根

レベル	初級者
エントリー	ビーチ
水深	8m

水底から根のトップまで4～5ｍ ほどあり潮が止められるためモエビ等甲殻類やウミウシ類を観察出来る。

西の根

レベル	初級者
エントリー	ビーチ
水深	8m

周囲約２ ０ ０ ｍ ほどの根で沖合から潮が当たるためウミウシ類やホウボウ等幼少期浅場で生活する種を見ることが出来る。春はホテイウオやダンゴウオが観察できる。

三丁目コーナー

レベル	初級者
エントリー	ビーチ
水深	10〜20m

潮通りが良く夏から秋にはマアジやマイワシ、アカカマス等の群れを見ることができる。