足摺・竜串・樫西海岸のダイビング見どころ

ダイビングサイトは多いものの、決してアクセスがいいとは言い難いのが四国エリア。中でも「海外より遠い」とまで言わしめた柏島やその周辺は、お世辞にもご近所の海とは言い難いけれど、それを押してでも潜りたい魅力がぎっしりと詰まっています。

黒潮がもろにぶつかるこの海域には、テーブルサンゴが広範囲に群生し、さながら南国の海のよう。さらに千種類以上もの生物が確認されていて、生き物好きダイバーやカメラ派には大人気です。関西や九州エリアのダイバーはもちろんのこと、関東から潜りに来るダイバーも少なくありません。

潜り方

ビーチポイントもあるが、比較的ボートダイビングが主流。

ツアー

柏島や室戸などの太平洋側は泊りがけツアーも多い。

足摺

高知県土佐清水市

日本で一番初めに黒潮が当たるダイビングスポット！

四国の最南端に位置する町、高知県土佐清水市。そこにかの有名な「足摺岬」がある。大堂海岸には、高さ100mの断崖が続くが、「海の中には美しい竜宮城がある」という伝説は、四国の海が発祥の地と言われる程、海中では黒潮に乗ってやって来る色鮮やかな熱帯魚が乱舞する。黒潮の恵みをふんだんに受けた海中は、水温、透明度共に高く、クリアブルーの世界はダイバーを虜にする。 期間限定ではあるが、ダイバー憧れの「ジンベエザメ」や「マンボウ」と潜れるジンベエスイムやマンボウスイムも行っており、ノンダイバーからも人気を集めている。周辺には、幕末に活躍したジョン万次郎の銅像や、万次郎の遺品や航海の資料を展示した「ジョン万ハウス」があり、ゆかりの地としても知られている。1200年の歴史を誇るあしずり温泉は、アフターダイブにおすすめ。

ハナレNO.2

黒潮の海流がいきどまる所で、様々な幼魚が育つ穏やかなポイント。 砂地には、ハゼや甲殻類生物がたくさん棲んでいる。

フィッシュガーデン

のんびり潜って魚たちを観察できる。イセエビやクマノミ、ルリスズメダイやキンギョハナダイなどを見られる。

ハナレNO.1

幻のポイント。黒潮が直撃するウスバエに当たった速い潮がこの周辺を頻繁に通るため、個々のダイバーのスキルと判断力が必要。フリーでの潜浮上となる。 難しい分、大物遭遇率も高い

竜串

高知県土佐清水市竜串

おだやかな海でビギナーでも安心！

高知県西部・足摺岬近辺にある奇勝が竜串。足摺宇和海国立公園内に位置し、サンゴや華やかな魚類と共に亜熱帯的な海中景観を形成している竜串湾は、昭和45年(1970年)に日本で初めての海域公園「竜串海域公園」に指定された、海、陸上、町並みそれぞれの自然な美しさが今日まで保たれている。竜串のある土佐清水市はジョン万次郎の故郷としても有名で、近隣には四万十川や柏島などの観光スポットもある。 　黒潮が接岸する竜串の海で、レジャーダイバーに開かれたのは2001年、いまだ未知数の可能性を秘めている。台風や時化以外は通年ダイビングが可能で、シーズンオフがない。また、平均水深は10〜15mと浅場が多く、潮の流れもあまりないのでビギナーでも安心して潜れる。竜串独特の奇岩がそのまま海中に沈んだような「ホンバエ」や「ワレ回廊」といったポイントが中心となっている。 　アフターダイブは、水上スキーやシーカヤックなどのマリンレジャーのほか、竜串、見残し海岸の奇岩巡り、竜串プレミアムビーチでのバーベキューなども楽しめる。また、高知ならではのカツオのわら焼き、清水沖どれさしみ料理、長太郎貝料理など、新鮮な魚介類を使用した地元の味を堪能できる。

ワレ回廊

独特の奇岩美で作られたプチチャネルポイント！竜串独特の奇岩美が水中でも楽しめるシーンがここ！はるか昔は川の溝だったという説もある。トップ４ｍ、ボトム12ｍの落差８ｍの溝には、色々な生物が見られるので、地形派ダイバーはもとより、フォトダイバーも楽しめる。係留ブイから少し沖に進むとキホシスズメダイやキンギョハナダイ、ソラスズメダイの群れなどが見られる。10〜11月頃はウミガメやマダラトビエイに出会える確率がアップ！１ダイブで10枚のマダラトビエイが出てきたことも！また、冬場から春先にかけてクマドリカエルアンコウやフリソデエビが見られる。

日の浦

起伏に富んだ地形に、テーブルサンゴや魚がたくさん！竜串エリアメインポイントの一つで、平均透明度が高い。トップ付近の根には、チョウチョウウオやソラスズメダイが群れで見られ、中層をアオブダイやメジナ、ニザダイ、ニセカンランハギが泳ぎ回る。岩の隅を見ると、サザナミヤッコやタテジマキンチャクダイ、モンガラカワハギも登場！冬場にはたくさんの種類のウミウシが出現し、フリソデエビやキンチャクガニなど人気の甲殻類もよく見られる。たまにカンパチなど回遊魚やマダラトビエイ、ウミガメもみられるマルチポイント！

ホンバエ

地形、彩り、魚群、マクロ全てありの、オールマイティなポイント。竜串エリアメインポイントの一つで、現在唯一30ｍを超えるディープポイント。竜串独特の奇岩がそのまま海中に沈んでいる為、大きなオーバーハングや竪穴ががたくさんあり、透明度が良い時はそのダイナミックさを堪能できる！25ｍあたりの深場では、毎年水温20℃を切る辺りでウデフリツノザヤウミウシが数個体見られ、冬の風物詩になっている。その他、セトリュウグウウミウシやシンデレラウミウシなど人気のウミウシが見られる事も。夏場の中層ではブリやカンパチ、ハタタテダイの群れも見られ、各種幼魚、甲殻類も多数出てくる。

樫西海岸

高知県幡多郡大月町周防形
樫西海岸は高知県西南端にある大月町の太平洋に面した海で、周防形区、樫の浦区、西泊区の３区からなり、直線距離にして約6.6ｋｍの海岸線。水中には切り立ったさまざまな岩があり、その周辺に生息している生物を楽しめる。各ポイントまではボートで5分～15分と近いので、ビギナーでもストレスが少ないのがうれしい。地形も楽しめるので、カンパチ、ブリ、カマスなどの回遊魚や、時折見られるマダラトビエイ，カメなど、ワイドを楽しみながら、カエルアンコウやフリソデエビ、ピグミーシーホースなどのマクロも堪能できる。ウミウシの種類も豊富で、珍しい種に出会えるかも？

海中公園２号

港から5分。水深平均14mで波風さえぎる穏やかなポイント。壁に付いているマクロ生物をじっくり探せる。

沖のアーチ

水深30ｍからトップ5ｍの切り立った巨大な岩に6畳ほどのトンネルが開いている。地形に回遊魚、マクロと盛りだくさんのポイント。

ナンプウ３号

大きな岩盤の周りや割れた水路をじっくりウミウシなど探せる。