串本・須江・古座のダイビング見どころ

関西ダイバーのホームグランドといえばここ。古くから開かれてきたダイビングポイントも多く、和歌山県はみなべ＆田辺・白浜・串本、紀伊大島須江など、人気エリアのオンパレード。

黒潮の恵みを強く受ける海はサンゴと魚たちのパラダイス！　白浜までは大阪から2～３時間で行けるとあって、ビギナーからベテランまで人気が高く、日帰りで楽しむダイバーでにぎわっています。紀伊半島南端の串本は生き物と地形の両方が楽しめる海として高い人気を誇っています。 いっぽう、紀伊半島の東海岸・三重県側はこじんまりとした穴場的ポイントが多く、マクロから大物までじっくりのんびり楽しむことができます。

潜り方

ビーチ・ボートともにさかん。ボートポイントも多数ある。

ツアー

阪和自動車道や伊勢自動車道を利用して、京阪神・名古屋から車で３～４時間。日帰りや週末利用で潜るダイバーも多い。

串本

和歌山県東牟婁郡串本町

透明度は紀伊半島屈指。 多種多様な生物が見られるとても豊かな海。

本州最南端の町・串本は黒潮の影響を強く受け、魚種の多さはトップクラス。本州では唯一の亜熱帯地域に分布されている。 海の中も同様に、本州では最も大規模なサンゴ群落が広がっており、夏にはサンゴの産卵も見られることも！ 春はアマミスズメダイの幼魚の到着から始まり、ウミウシ類が多い。夏は南からやってくる死滅回遊魚がにぎわい、秋になるにつれさらに多くなり、黒潮が大接近したときの透明度は年間通していちばん美しいブルーとなる。冬は砂地に現れるカスザメやツバクロエイ、コモンカズベなどの到来で冬を実感。フリソデエビ、ジョーフィッシュは年間通して見られる。 初心者からフォト派まで大満足の近場ポイントからダイナミックな地形と大物遭遇率が高い外洋ポイントまでポイントバリエーションが豊富。

紀伊大島 須江

和歌山県東牟婁郡串本町須江545

ワイドからマクロまで黒潮が体感できる海！

紀伊半島の先端、潮岬の東側約1.8kmに浮かぶ周囲28kmの紀伊大島は、和歌山県最大の島だ。潮岬までは約1km、くしもと大橋で結ばれている。日本とトルコが友好関係を結ぶきっかけとなったエルトゥールル号遭難事件は1890年に紀伊大島の沖で発生、島の東端・樫野埼には、トルコ軍艦遭難者慰霊碑およびトルコ記念館がある。 島は３つの地区に分かれているが、そのうち南側に位置するのが須江だ。潮岬を隔てた反対側・串本は、サンゴ群生でも知られる温暖な海だが、岬によって黒潮を遮られるため、須江の海中は水温は低めで海中景観も生息する生物相もガラリと変わる。珍種稀種が多いと、カメラ派ダイバーに人気なのはそのためだ。中でも冬限定の「ビーチポイント」「内浦」はファンが多いが、そのほかにも、穏やかな内湾の「ボートポイント」、地形も楽しめる外洋ポイントもそろっている。また、夏には、潮岬沖を流れる黒潮をドリフトするブルーウォーターダイブが開催される。

コワリ下

レベル	初級者〜上級者
エントリー	ボート
水深	12m～18m

タイの養殖いけす(コワリ)の下のポイント。キアンコウやハナデンシャなど、レア物出現の期待大！ 

白野ビーチ

レベル	講習〜上級者
エントリー	ビーチ
水深	0m～10m

講習にちょうどいい遠浅の砂浜ビーチ。夏場は海水浴場にもなる。生物　ソラスズメダイ、シマウミスズメ、キタマクラ、ダテハゼ、アカエソスナイソギンチャク、ウミエラ、タコノマクラなどが見られる。 

内浦ビーチ

レベル	初級者〜上級者
エントリー	ビーチ
水深	3m～30m

冬季限定(10月中旬〜３月末)ポイント。岸壁からジャイアントストライドでエントリーすると、岩場や砂地、泥地と様々な顔があり、水深30ｍまで深度が取れ、生物層も幅広い。ハナゴンベ、マトウダイ、カマス、ネンブツダイ、ハナミノカサゴ、ミジンベニハゼ、ウミウシ類などが見られ、「スーパービーチ」とも呼ばれている。 

オオバエ

レベル	初級者〜上級者
エントリー	ボート
水深	5m～20m

ビギナーさんにもおすすめの外洋ポイント。大きな亀裂があり１人ずつなら入ることもできる。根と根の間にはキレイな砂地も広がっている。 

6：40（シックス・フォーティー）

レベル	中級者〜上級者
エントリー	ボート
水深	6m～40m

港から５分で到着できる外洋ポイント。水深６ｍから一気に40ｍまで落ち込むダイナミックな地形が見どころとなっている。根の回りにはイサキやタカベ、キンギョハナダイが群れ、カンパチも現れる。深場の穴ではドチザメが群れていることも。 

ナギザキ

レベル	初級者〜上級者
エントリー	ボート
水深	7m～40m

須江の人気NO.1ポイント。トップ水深７ｍからボトムが40ｍと大きな高低差が楽しめる隠れ根。クダゴンベ、クルマダイ、ときおりレアなハナダイも現れ、初夏はオキノスジエビの大群が見もの。生物が充実しているので、フォト派にもおすすめ。 

地蔵岩

レベル	初級者〜上級者
エントリー	ボート
水深	8m～28m

水深8～20数ｍまで広がる砂地と根がある。穏やかなボートポイントで港から３分という近さなので船が苦手な人にもオススメ。ミジンベニハゼが常時見られ、カスザメもよく見られる。オドリカクレエビやアカホシカクレエビなど甲殻類もいっぱい。ビギナーから。 

ウワチバイ

レベル	初級者〜上級者
エントリー	ボート
水深	5m～20m

須江では初のケーブがある外洋ポイント。水深は浅く、ビギナーから地形派ダイバーまでオススメ。ダイバー数名で通り抜けられるＬ型アーチは必見だ。 

古座

和歌山県東牟婁郡串本町古座

手つかずのソフトコーラルが生い茂る未開の海

　和歌山県・串本町の東海岸に位置するダイビングエリアが古座（こざ）。人があまり潜ってこなかった海には、元気なソフトコーラルのお花畑が広がる。外洋エリアは豪快な地形にくわえ、根魚が多く回遊魚も見られる。　 　また、古座では国内では珍しいリバーダイビングが体験できる。清流・古座川では、特別天然記念物のオオサンショウウオを筆頭に、ユニークな生物と出会える可能性大。さらにダイビングの後に、カヌーやパドルボートなどの川遊びも楽しめる。 　自然に囲まれた古座は、ダイビングはもちろん、海、川、山から得られる自然のパワーを身体全体で吸収できる場所だ。 

大山礁

レベル	中級者  上級者
エントリー	ボート
水深	6～25M

干潮時に水面から見え隠れする大きな2つの隠れ根からなるポイント。西と東の根に分かれ、水深25mまで落ちている。東には洞窟があり、イシガキフグやイタチウオ、ミノカサゴなどが見られる。

箱島

レベル	初級者  中級者  上級者
エントリー	ボート
水深	0～0M

古座・動鳴気港と串本大島の間にある岩礁が箱島。周囲にはアーチやトンネルが多い。

ブラックトンネル

レベル	上級者
エントリー	ボート
水深	0～43M

海底山脈にあるトンネルのポイント。水深30mの地点に直径15mのトンネルが空いている。トンネル内にはハタンポやテンジクダイの仲間が群れ、上部には抜け穴も。トンネルを出ると大型のクエと出会えるかも。

平島瀬

レベル	初級者  中級者  上級者
エントリー	ボート
水深	0～30M

トゲトサカなどの色鮮やかなソフトコーラルが咲き乱れる。キンギョハナダイやクロホシイシモチが群れ、ウミウシなどのマクロ生物もたくさん見られるほか、アジの群れ、カンパチなどの回遊魚などとも出会える。

上の島

レベル	初級者  中級者  上級者
エントリー	ボート
水深	0～20M

海底に点在する根にはソフトコーラルが多く、華やか。アジやイサキの群れ、オオモンカエルアンコウやウミウシ、甲殻類など多く生物に出会える。生物観察やフォト派にオススメ。初心者も楽しめる。

ゲンゴロー根

レベル	初級者  中級者  上級者
エントリー	ボート
水深	0～19M

大きな2つの根にはウミウシやエビ、カニなどマクロが多く、ツバメウオやチョウチョウウオなども見られ、フィッシュウォッチングに最適。水深が浅く、流れもないので、初心者も楽しめる。

上瀬

レベル	中級者  上級者
エントリー	ボート
水深	0～50M

古座沖約7kmの概要にある巨大な海底山脈。根には小さな洞窟や亀裂が多く、クエなどが根付いている。水深が深く流れもあるので、中級者以上限定。イサキやタカベが群れ、カンパチやブリなどの大型回遊魚など、魚影も濃い。ハンマーヘッドやオナガザメ、マダラトビエイや、イシダイの大群が現れることもある。

氏神瀬

レベル	中級者  上級者
エントリー	ボート
水深	6～28M

平均25mの海底台地から多くの根が立ち上がっている。根の周りはハタ、クエ、イシダイ、イシガキダイなどが根付き、魚影が濃い。潮通しがよいので、初夏から冬までの間、カンパチやブリなどの大型回遊魚が楽しめる。潮流があるので中級者以上限定のポイント。